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この記事は、マーティン・リーの著作『Smoke Signals: A Social History of Marijuana – Medical, Recreational and Scientific』からの抜粋です。

1960 年代後半以降、アメリカの若者の間でマリファナ人気が高まったのは、トム・オコーネル(Tom O’Connell)医師が「小児性不安神経症」になぞらえた注意力欠如障害(ADD)と注意欠如・多動性障害(ADHD)の症例が急増した時期と重なります。元胸部外科医であり、米国陸軍の医療隊の大佐であったオコーネル医師は、ベトナム戦争中に何百人もの負傷したアメリカ兵を治療しました。定年退職していた氏は 2000年、医療現場に復帰し、カリフォルニア州オークランドで医療大麻を求める患者の診察を始めました。

その後、オコーネル医師は 6,000人の患者のデータベースを構築し、大麻使用のパターンを分析しました。それによって明らかになったことは、大麻禁止論者と薬物政策改正論者がともに唱える、「21歳以下の者は大麻を使うべきではない」という考え方に疑問を突きつけました。「大麻をめぐる現在の議論は、賛成派、反対派のいずれもが幻想に縛られている」と氏は自身のブログに記しています。氏は、合法化運動のリーダーたちが「連邦政府の役人たちと同じくらい何もわかっておらず、若者による薬物使用のこととなると、同様に机上の空論に陥りがちである」と嘆くのです。

大麻を試す若者の一部が常習者になるのは何故なのでしょうか? 医療目的で使用しているのだ、という彼らの主張は本当でしょうか? オコーネル博士のところに医療大麻使用の推薦書を求めてやってくる患者の大部分は、推薦書を入手して初めてディスペンサリーを訪れる以前にすでに大麻を常習していました(マリファナを試して不快な思いをした人は通常、医師の推薦状を求めには来ません)。氏が話を聞いた常習的なマリファナ喫煙者には、驚くほど似通った病歴と社会歴がありました。オコーネル博士は、若者が大麻を常習的に吸う主な理由は、自信のなさや自尊心の低さから来る不安神経症その他の気分障害を、大麻が安全かつ効果的にやわらげてくれるからであると考えました。

オコーネル医師によれば、薬物の繰り返しの使用は、単なる娯楽というよりももっと深刻な目的を伴っているのが普通です。1960年代以降、アメリカの若者が大挙してマリファナを使うようになったのは、「大手製薬会社のドル箱となった抗不安薬や精神安定剤や抗うつ剤が処方されたのと同じ感情的な症状をやわらげるため」だったのだ、と氏は主張します。「青春時代に付き物の悩みを自分で何とか解決しようとする若者にとっての大麻の必要性は、単なる若者らしい快楽主義よりもはるかに重大である」とオコーネル医師は結んでいます。

アメリカの若者にとって大麻は、いわば猫にとってのマタタビであり、漠然とした不安感と現代生活の狂気じみた複雑さを生き抜くための、よく理解されていないけれども効果的なハーブなのです。大麻が抗不安薬として若者に好まれるようになり、神経の張り詰めた十代や不安に苛まれる若年成人の間でその人気が衰えないことは、エンドカンナビノイド・システムにストレスを緩和させる機能があることを立証した科学的研究の結果を見れば納得できることです。

緊急の、生命の危機が危ぶまれるような状況では、人間が本来持っているストレス反応(闘争・逃走反応)の活性化が必須です。でも、あまりに強すぎるストレスは、エンドカンナビノイド・システムを消耗させ、長期的には身体にダメージを起こします。エンドカンナビノイド・システムが機能しなくなれば、さまざまな疾患に罹りやすくなり、早死のリスクも高まります。慢性的にストレスが高い状態は、不安感を強め、アルツハイマー病の進行を大幅に早めますし、感情的なストレスががんの転移を早めることもわかっています。また脂肪の吸収にもストレスが関与しています。

細胞のレベルで言うと、ストレスというのは、身体に生理的な負荷を与えるすべての変化に対する身体反応です。ストレスを感じると、人の脳はコルチゾールその他のステロイド・ホルモンを産生し、それらが今度は天然のマリファナ様化合物、アナンダミドと 2-AG の放出の引き金となります。これら内因性カンナビノイドは、始原細胞である受容体と結合し、ストレスホルモンの産生を抑制してホメオスタシスを回復します。大麻という植物は基本的に、これと同じことをしてくれるのです。


Martin A. Lee は Project CBD のディレクターであり、『Smoke Signals: A Social History of Marijuana – Medical, Recreational and Scientific』の著者。


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