誰が、なぜCBDを使っているのか?
巷では CBD製品が大人気で、マスコミもさかんにそれを煽っていますが、人々がなぜ、どのようにこの人気者の大麻成分を使っているのかについて理解しようという努力はあまり行われていません。
そこで Project CBD は 2019年の初め、誰が、なぜ、どのように CBD を使っているのか、どんな製品を使っているのか、そして効果があるのかないのかを理解するためのアンケート調査を開始しました。この報告書は、8か月間にわたって集積された、3,500人から寄せられた回答をまとめたものです(全文はこちらで読めます)。
アンケートでは、6つの QOL(生活の質)尺度 — 痛み、気分、睡眠、身体機能、活力またはやる気、社交能力 — に対する CBD の影響を尋ねました。回答者の半数以上が、すべての尺度についてある程度の改善があったと答えましたが、最 も大きく改善したのは痛みと気分でした。
興味深かったのは、具体的な疾患に対する効果でした。アンケートは、次の 18種類の疾患について質問しています。
- アルコール / 薬物依存症
- ADD / ADHD
- アルツハイマー病
- 自閉症スペクトラム障害
- 脳損傷(脳卒中、外傷性損傷、腫瘍など)
- がん
- 糖尿病
- てんかんその他の発作性疾患
- 消化器疾患(大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群など)
- うつ病
- 不安神経症その他の気分障害
- 乗り物酔い
- 疼痛
- パーキンソン病
- ホルモン障害(月経前症候群、更年期障害など)
- 多発性硬化症
- PTSD
- 睡眠障害
疾患の種類やステージ(たとえば、1型糖尿病か2型糖尿病か、など)、またその疾患に よくある症状に CBD がどのような効果があるかについても尋ねました。
この調査の結果は、CBD についてすでに確立されている事実のいくつかを立証しました。つまり、CBD は優れた安全性プロファイルを持ち、疼痛と不安感の軽減に大変効果的であるということです。参加者からは、基礎疾患にかかわらず、疼痛と気分を大幅に改善させたという回答が寄せられました。
ただし調査からは、CBDが、一部の人が言うような万病に効く万能薬だというわけ ではないこともわかりました。明らかに CBD が奏効しにくい症状もありました。 たとえば、消化器疾患のある人が健康的な体重を維持するのには、CBD はあまり役に立ちませんでしたし、PMSに伴う腹部膨満感、がんに伴う下痢と便秘、更年期の性欲の改善にもあまり効果はありませんでした。
とは言え CBD には、とにかく摂った人の調子が良くなるという効果がありました。これはおそらく、疼痛、気分、睡眠が改善されるためでしょう。
この調査ではまた、副作用もほとんどないということもわかりました。これは、CBD は安全で、高用量でも忍容性が高いという研究結果とも一致しています。
英語で全文を読む(日本語訳は添付のPDFをどうぞ)
この調査は、カリフォルニア州サンタローザにある CBD製品製造会社、Care By Design の協力によって行われました。Project CBD はこの調査のデータを研究者に公開しています。このアンケート調査から得られたデータが、CBD に医療効果を求める人々や、今後の CBD 研究がどこに向かうのかに関心のある人々の参考になればと思います。