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長身・痩せ型で髪を短く刈りあげた 10代の少年ロバートは、潰瘍性結腸炎の治療のために両親とともに私の診療所にやってきました。2年前の診断以来彼は、腹痛、出血性下痢、食欲不振、体重減少などに慢性的に苦しんでいました。鬱々とした絶望的な気分だというのも頷けました。さまざまな治療法を試しましたが効果がなく、ご両親によれば、試した医薬品は、症状を改善するどころか悪化させているようでした。腸管からの出血が原因の貧血のため、輸血も何度も行っていました。直近の専門医の診察では、大腸の一部を削除する手術が話題に上り、ロバートは憂鬱でした。

私の診察を受けに来る前に、ロバートの両親は彼が大麻を吸っているところを目撃しました。両親は驚きませんでした — なぜなら最近のロバートは何かが変わったということに気づいていたからです。気持ちがちょっと軽くなり、不快な症状についての苦情を言うことも若干少なくなったように思えました。彼らは一緒に「潰瘍性結腸炎 大麻で治療」とグーグル検索し、医師の監督のもとで医療大麻を試すことにしました。全員が、手術は最後の手段であるという点で合意していました。大麻はどんなふうに役に立つのか、と私が尋ねると、ロバートは、すべての身体的症状が軽くなり、数時間は「普通」でいられるのだ、と言いました。ロバートと彼の両親は、どこの誰ともわからない人から大麻を買うこと、法的なトラブルに巻き込まれることを不安に思っていました。とても大人っぽい口調で彼は、「この薬は自分に合っているような気がするんですが、大麻を使うことで犯罪者になるのはいやなんです」と言ったものです。

私はロバートと彼の両親に、エンドカンナビノイド・システムやさまざまな植物性カンナビノイドについて教え、炎症性腸疾患に対する医療大麻の効果について、数は少ないけれども有望な実験結果があることを伝えました。私はまずロバートに、CBD : THC の比が 25 : 1 のティンクチャーを一日2回の低用量から始めるよう指導しました。1〜2週間毎に用量を増やしていき、最終的には 300ミリグラムを一日2回摂るところまで増やすのが目標でした。また急性の症状が現れたときには必要に応じて THC をベポライザーで吸入するように言いました。4週間後のロバートの報告によれば、下痢、腹痛が減り、食欲が増したということでした。また以前より良く眠れるようになり、気分も改善していました。ただしまだ血便があったので、私は一日2回の摂取に THCA を加えることにしました。

その後の6週間で、ロバートの赤血球数は安定しました。体重が増え、病気の診断以来できなかったバスケットがまたできるようになったと嬉しそうでした。検査の結果、炎症マーカーも改善され、それでもまだ高い数値ではあったものの、これは彼の体内の炎症に治療が奏効し始めていることの証拠でした。ロバートの主治医は、慎重な態度ながら医療大麻による治療を支持しました — 彼自身、ロバートの症状が安定するのを目の当たりにしていたためです。何よりも重要なのは、ロバートが、生活の質の大幅な向上を感じていることでした。そして本当に久々に彼は、未来に希望を持てるようになったのです。


Cannabis is Medicine: How Medical Cannabis and CBD are Healing Everything from Anxiety to Chronic Pain』(ボニ・ゴールドスタイン著、Little, Brow Spark 刊)から抜粋。Copyright © 2020。


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