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カリフォルニアに拠点を置く非営利団体 Project CBD は、医療大麻に関する啓発活動を行う Green Zone Japan と提携し、Project CBD の教育のためのウェブサイトの日本語版をスタートさせました(projectcbd.org/ja)。

公式日本語ミラーサイトは、2020年 11月5日現在すでに公開されており、今後は定期的にアップデートされます。これは、カンナビスの科学および医療大麻を使った治療法についての最新情報を1億3,000万人の日本人にいち早く届けるための共同作業です。

陶酔作用を持たないカンナビノイドであるカンナビジオール(CBD)は現在、日本でも大流行の兆しを見せています。ここのところ、日本各地の都市でトレンディな CBD製品を売るブティックやコーヒーショップが登場し、好奇心をそそられた消費者が、CBD入りのジャワコーヒーやスムージーを楽しんでいます。ほんのわずかでも THC が含まれていてはならないとする日本の厳しい大麻規制に基づいて、これらの製品は「THCフリー」です。日本の CBD ブランドはすべて、ヘンプ由来で THC を含まない製品を、ヘンプ栽培と CBD の抽出が合法である国からの輸入に頼って販売しています。

「現在日本で手に入る CBD 製品の多くは CBD アイソレートを使ったもので、ブロードスペクトラムの製品が若干ありますが、THC は完全に禁じられています」— Green Zone Japan のプログラム・ディレクター、三木直子氏は言います。「理想的とは言えませんが、何もないよりはマシなのです」

厳罰主義と大きな希望

日本では現在、乾燥大麻やハシシを少量所持しただけで最大5年の服役刑が科されます。著名人が個人で使うために大麻を所持して逮捕されれば、社会からの厳しいバッシングが続くのが普通です。「日本は今も、リーファー・マッドネス時代のままなのです」と三木氏は嘆きます。

Green Zone Japan は、CBD が持つポジティブな影響が、カンナビスの持つ医療効果を認める薬物政策の新時代を開くのに役立つことを願っています。「実際に私たちは、ヘンプ由来の CBD 製品が生後6か月の男の子のてんかん発作を完全に止めるのを目撃しています」と三木氏は言います。

この奇跡的な結果が引き金となり、日本政府はこれまでの方針を覆して、難治性てんかんに対する大麻草由来製剤の臨床試験を許可すると発表しました。

「臨床試験の結果が成功ならば、大麻取締法改正に関する議論が必要になります」と三木氏。1948年に、当時日本を占領していた連合国軍機関の命によって制定された時代錯誤的な大麻取締法は、大麻草を非合法化し、かつては日本の文化において大切にされていたこの植物にネガティブなイメージを植え付けたのです。

神聖な植物

大麻草は日本では長い歴史を持ち、大麻の種子や大麻草から作られた縄などの痕跡が数千年前の住居の遺跡から発見されています。大麻草は広く栽培され、清浄・豊穣を象徴するものとして、宗教儀式において重要な役割を果たしてきました。神社には麻でできたしめ縄が飾られ、仏教の祭事である盆会では今も、大麻草の茎の芯を燃やして先祖の霊を迎えます。

大麻草の医療効果もまた知られており、大麻チンキは日本の薬局方にも収蔵されて、さまざまな症状に対して処方されていました。最近『Journal of Pharmacopuncture』に掲載されたレビュー記事には、明治時代(1868〜1912年)に、疼痛を緩和し、「喘息、結核、淋病、不眠症」を含む「消化器、呼吸器、泌尿器、神経系の疾患」の治療のために大麻(花穂、葉、種子、根)を医療利用していたことが述べられています。

ところが医療大麻とヘンプ栽培は、第2次世界大戦後に世界的に拡がった反マリファナ運動に日本が加わったことで、政府による攻撃の対象となりました。Green Zone Japan の三木氏は、医療大麻にアクセスできるかどうかは人権の問題だと述べ、CBDの人気の高さが、日本における医療大麻合法化活動を推し進める助けになるかもしれないと考えます。

「アメリカでは、CBD が、それまで医療大麻にまったく興味を持っていなかったたくさんの人たちに、医療大麻への扉を開くきっかけになりました。規模は小さいですが、同じことが日本でも起こっていると思います」と三木氏は言います。

Green Zone Japanは、CBDと医療大麻はともに語られるべきだと考えています。Green Zone Japan の共同創設者であり代表理事を務める医師、正高佑志氏は、「CBD業者には、CBDを売るために、大麻と分離させようとするところも多いですが、私たちはこの二つを結びつけることに務めています。それが私たちの仕事です。CBD は医療大麻の一部であると考えるからです」と続けます。

医療大麻、そして人権という大きな文脈の中で CBD について知ってもらう—それはまた、Project CBD の基本理念であり、使命でもあります。

付記:Project CBD のディレクター、マーティン・リーは、11月15日に開催される日本臨床カンナビノイド学会(JCAC)の学術会議にゲストスピーカーとして遠隔で参加します。

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