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大麻の合法化は、大学生による他の薬物の使用にどんな影響を与えたのでしょうか? その答えを知るために先ごろ、オレゴン州立大学で調査が行われました。

これ以前に行われたいくつかの調査では、嗜好大麻が合法化された州では、オピオイド系鎮痛薬の使用率の低下と過剰摂取が減少しただけでなく、大量の飲酒と、飲酒運転による死亡事故も減少したことが報告されていました。今回オレゴン州立大学で行われた調査では、2008年〜2018年の間の 90万人近い学生のデータを分析し、嗜好大麻が合法化された州とされていない州を比較しました。

調査の結果で最も重要なのは大量飲酒に関するものです。嗜好大麻が合法である州の学生は、合法でない州に比べて大量飲酒する確率が 6% 低くなっていました。さらに、合法化されたのが早ければ早いほど、大量飲酒する学生の減少率が大きかったのです。この傾向は 21歳以上の学生で特に顕著でした。嗜好大麻が合法である 11州とワシントン DC では大麻を合法的に使用できる年齢が 21歳であることを考えると、この結果からは、大麻の使用が合法である場合は多くの学生が合法的にアルコールを大麻に置き換えているということことがわかります。

CBD と脳の健康

大麻合法化が社会にもたらすポジティブな影響が明らかになりつつあります。そしてそれには大麻の持つ生理学的効果も重要な役割を担っています。大麻は、その抗炎症作用に酔って、アルコールの毒性を軽減させることが示されています。また、飲酒への渇望も減少させます。一度に大量の酒を飲むと、記憶や認知に関連する脳の部位において神経変性(脳細胞の死滅)が引き起こされる原因になります。

いくつかの基礎研究では、カンナビジオール(CBD)が、アルコールによる損傷から脳を護る可能性が示されています。たとえば『Journal of Experimental Therapy』誌に 2005 年に掲載された論文は、マウスに CBD を皮下注射すると神経変性が 60% 軽減したことを示しました。論文の著者らは、これは CBD が持つ抗酸化作用によるものではないかと述べています。

また 2013年にケンタッキー大学で行われた研究では、マウスを使った大量飲酒の動物モデルにおいて、経皮吸収された CBD の効果を検証しました。すると、最も効能の高い CBD ジェルでは、神経変性が 50% 軽減されました。

つまり大麻は、単に合法的に入手できるようになるだけで大量飲酒の頻度が低下するだけでなく、アルコールによる健康被害を減少させる可能性があるのです。

オピオイド薬の使用

興味深いことに、オレゴン州立大学の調査によれば、大麻の合法化はオピオイド薬の使用状況には統計的に有意な影響を与えませんでした。これは、オピオイド薬の使用にはさまざまな理由があることと関係しているのかもしれません。ケシの果汁を喫煙してリラックスする人もいれば、激しい疼痛を抑えるためにオピオイド系鎮痛薬を使っている人もいるからです。

オレゴン州立大学の調査では、嗜好大麻の合法化と違法薬物の使用には関連が見られませんでした。大麻がゲートウェイドラッグであるというでっち上げ理論がまたしても否定されたと言えるでしょう。


Zoe Sigman は元 Project CBD のプログラム・ディレクター。


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Footnotes

  1. オレゴン州立大学の調査が行われた 2018 年時点では、9つの州とワシントンDCで嗜好大麻が合法化されていました。その後2つの州で嗜好大麻が合法化され、この記事の掲載時は合計 11州で大麻が合法となっています。

 

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