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全草から抽出され CBD を豊富に含む大麻抽出液は、CBD という単一分子のみのものよりも医療効果に優れている、ということを示す画期的な研究の結果をご紹介します。

『Pharmacology & Pharmacy』誌(2015年2月号)に掲載された論文は、大手製薬企業や産業化された医療業界によって不可侵なものとされる考え方—すなわち、未精製の植物性製剤は本質的に、純粋な単一分子化合物よりも低品質かつ効果が劣っている、という考え方に真っ向から反論するものです。

「カンナビジオールを豊富に含む大麻抽出物の使用によってカンナビジオールの釣り鐘型用量反応を克服する」と題されたこの論文は、1992年に哺乳動物の脳で初めて内因性カンナビノイドであるアナンダミドが発見された際に重要な役割を果たしたルミール・ハヌス(Lumir Hanus)が共著者に名を連ねていることによって、ますます注目に値するものとなっています。

エルサレムにあるヘブライ大学の研究者であるハヌスと二人の同僚は、科学文献を調べ、それ以前の15年間に行われた多数の臨床試験が、純粋な単一分子 CBD の抗炎症作用を、リウマチ性関節炎、炎症性大腸炎、多発性硬化症、糖尿病などさまざまな疾患の動物モデルで検証することにフォーカスしているということに気づきました。(CBDの基礎研究データはこちら

これらの研究は、純粋な単一分子 CBD を投与した場合の用量反応は釣り鐘型の曲線を描く、つまり、CBD の用量がある閾値を超えると治療効果が大幅に減少することを示していました。「治療効果があったのは、CBD の用量が非常に狭い幅の中にあるときだけで、それより少なくても多くても効果は見られなかった」と著者は述べています。釣り鐘型の用量反応曲線を示す、という単一分子 CBD の特徴は、臨床の現場では大きな障害となります。

これらの研究は、CBD の用量がある閾値を超えると治療効果が大幅に減少することを示していました。

イスラエルの研究チームは、大麻草全草から抽出した高 CBD 抽出物をマウスに投与すると、同じように釣り鐘型の用量反応曲線を描くかどうかを検証しようとしました。それとも、CBD 含有量の高い大麻草から抽出したものはこの問題を避けられるのでしょうか? 著者らは、「この研究の目的は、精製された CBD が持つ釣り鐘型の用量反応を払拭できる CBD の原料をみつけることである」と言っています。

研究チームは、イスラエルの医療大麻製造会社 Tikkun Olam社から、CBD を豊富に含む「Avidekel」という品種の大麻草を入手しました。この論文では「クローン202」と呼ばれていますが、Avidekel には THC はほとんど含まれておらず、したがって陶酔作用がありません。Avidekelの原産地はスペインで、スペインの育種家たちは、「Cannatonic」という品種の表現型を数種類開発していました。その中には、乾燥重量で CBD が20%に近く、陶酔作用を起こす成分はほぼゼロのものもあります。(収穫量が多く CBD が主成分であるこの品種は、カリフォルニアでは「ACDC」として知られています。)

イスラエルの研究チームは、クローン202から、CBD をたっぷり含むオイルを抽出しました。これには CBD が17.9%、THC が1.1%、カンナビクロメン(CBN)が 1.1%、カンナビゲロール(CBG)が 0.2%、そしてカンナビノール(CBN)とカンナビバロール(CBDV)がごく微量含まれていました。そしてこのオイルをマウスに投与し、抗炎症作用と鎮痛作用を評価したのです。

比較のため、別のマウス集団には純粋な CBD を投与して抗炎症作用と鎮痛作用を評価しました。また、単一分子 CBD と全草抽出 CBD がそれぞれ、全身性炎症シグナリング分子である腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)の産生をどの程度阻害するかも比較しました。TNF-α 産生の調節異常は、がん、アルツハイマー病、うつ病、過敏性腸症候群を含むさまざまな疾患に関わっていると考えられています。

純粋な CBD の実験の結果は、過去に行われた基礎研究の結果が正しかったことを実証しました。今回の実験でも単一分子 CBD の投与は、治療域の狭い釣り鐘型の用量反応曲線を示したのです。

ところが、マウスにクローン202からの抽出物を投与したときの用量反応曲線は違っていました。ある特定の濃度でしか治療効果がない純粋な CBD の釣り鐘型用量反応曲線ではなく、高CBD の全草抽出物は、疼痛、炎症、TNF-α 産生の阻害に関して、一直線の、用量依存性の効果を見せたのです。「精製 CBD とはまったく対照的に、クローンからの抽出物の場合、抗炎症作用と抗侵害受容作用と用量の間には明確な相関関係があり、用量を増やせば反応も強まった。従って大麻製剤は臨床の場で使用するには理想的である」と研究チームは述べています。

さらに、クローンからの抽出物に含まれる CBD はごく少量で鎮痛作用があるのに比べ、精製 CBD の場合は、同程度の鎮痛作用を発揮するためにはるかに高用量が必要であるということもわかりました。また、純粋な単一分子 CBD の場合、一定の用量以上の量を投与すると効果が大幅に弱まるのに対し、全草抽出の高 CBD 抽出物は「過剰投与」してもその治療効果が弱まることはありませんでした。クローン202 から抽出したオイルを最適量以上の用量で投与すると、その効果は横ばいになり、効果の最大値に達したということが示されました。

イスラエルの研究の結果は、大麻草クローン202の抽出物が「炎症性疾患の治療において単一分子の CBD よりも優れている」というものでした。全草からの抽出物の方が効果が高いのは、CBD と、それ以外の数十種類の微量植物性カンナビノイドや、数百種類におよぶカンナビノイド以外の成分が複合的あるいは相乗的に作用し合うのが理由かもしれません。「抽出物に含まれる CBD 以外の成分と CBD との相乗効果によって望ましい抗炎症作用が発揮され、そのことが精製 CBD の釣り鐘型用量反応を克服している可能性が高い」とイスラエルのチームは結論しています。

著者らはまた、高 CBD エキストラクトの効果を市場に出回っている鎮痛薬や抗炎症薬と比較することが重要だと考えました。その結果、純粋なCBD とクローン202のエキストラクトはともに、アスピリンよりも高い抗炎症効果があることがわかりました。アスピリンは TNF-α の産生をわずかに阻害しましたが、トラマドールにはその効果はありませんでした。またアスピリンの効果も、純粋な CBD およびクローン202が持つ強力な阻害作用に比べると取るに足りないものでした。

CBD を他の大麻成分と一緒に使った場合に用量反応が改善されるというこの重要な発見は、CBD によるがん細胞増殖抑制効果について、また膀胱収縮を阻害する CBD の効果について実証した最近の研究でも裏付けられています。

「伝統的な薬草の一成分を分離し、その特徴を明らかにすることで、医療利用の根拠を理解しようとする研究が数多く行われている。だが、我々のデータからも他の研究からのデータからも言えることは、これまで合成薬のみが使われてきた疾患の治療のために、次世代の植物性医薬品を導入すべき正当な理由があるということだ。大麻草の抽出物に相乗的な治療効果があることで必要な活性成分の用量が減少し、その結果副作用も減少する」とイスラエルの研究チームは結論づけています。


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