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近年の現代科学における最も重要な発展に中心的な役割を果たし、健康と疾病に関する私たちの理解を大幅に前進させているのが大麻です。

大麻草が持つ作用についての研究は、人体内にある重要な生化学的信号伝達システムの発見につながりました — 私たちの気分や血圧骨密度代謝消化器官の健康、エネルギーレベル、痛みの知覚、ストレス、空腹感その他、さまざまな形で影響を与える生理的過程の数々の調整に極めて重要な役割を果たす、エンドカンナビノイド・システムのことです。

「何千年も昔から身の回りにあった植物を使って、私たちは極めて重要な生理システムを発見しました」と、イスラエルの科学者ラファエル・ミシューラム(Raphael Mechoulam)博士は言います。「大麻草を研究していなかったらそれは不可能だったでしょう」

ミシューラム博士が「医療効果の宝庫」と呼ぶ大麻草には、「カンナビノイド」と呼ばれる、大麻草に独特の、生物活性のある化合物が 100種類以上含まれており、その中にはテトラヒドロカンナビノール(THC)やカンナビジオール(CBD)などがあります。

大麻は THC が引き起こす「ハイ」で知られていますが、CBD は人をハイにしません。そしてそのどちらにも、重要な治療効果があります。

大麻草が産生する植物性カンナビノイドの他に、人間の脳や身体が自然に産生する大麻に似た化合物、内因性カンナビノイドがあります。さらには、治療効果を狙ってエンドカンナビノイド・システムを作用標的とする医薬品の研究者が開発した合成カンナビノイドもあります。

こうした新しい合成化合物の中には、脳や身体の中で THC その他の大麻草成分に反応するカンナビノイド受容体、CB1 と CB2 に作用するものがあります [1]。

医学者たちはまた、カンナビノイド受容体には直接結合せずに「エンドカンナビノイド・トーン」を改善するための合成薬品の研究を進めています。

エンドカンナビノイド・システムが持つ癒しの力を利用するために、現在科学者たちが研究を進めている 10 種類の取り組みをご紹介します。

エンドカンナビノイド・システムに標的を定めた 10 の取り組み

1. 単一分子の植物性カンナビノイド

マリノールという名称で錠剤として販売されているドロナビノールは、合成 THC アイソレートとごま油でできています。医療大麻を求める患者の声が高まったため、1985年に食品医薬品局(FDA)によって特例承認を受けました。

特許を取得した単一分子の THC には、大麻草全草と同じ効果はありません。

その他にも FDA に承認された THC 製剤があります。たとえば Insys 社が開発したシンドロス(Syndros)は、スケジュール2指定の液体 THC です。ただし、特許を取得した単一分子の THC には、大麻草全草と同じ効果はありません。

医薬品としての THC 製剤は非常に強い精神作用があり、不快感を催すこともありますが、アメリカ 50 州すべてで処方薬として合法的に使用できます。

カンナビジオールもまた、2種類の難治性小児てんかんの治療薬として FDA の承認を受け、医薬品エピディオレックス(Epidiolex)として販売されています。GW製薬が製造するエピディオレックスは、大麻草から抽出された CBD のアイソレートに、同じく強力な抗けいれん作用を持つ「マイナー」カンナビノイド、カンナビジバリン(CBDV)をごく少量組み合わせたものです

バイオテクノロジー企業数社が、CBDV をはじめとする単一分子カンナビノイドを酵母菌から生成しようと試みています。この手法が発達すれば、医薬品の開発者は、さまざまな大麻成分を単一分子として研究開発に利用できるようになることでしょう。

2. 合成カンナビノイドアナログ

植物性カンナビノイドの合成アナログも製造され、研究での利用のほか、商業的にも流通しています。たとえば合成 THC アナログであるナビロン(Nabilone)は、イーライリリー社によって開発され、抗がん剤治療に伴う悪心と嘔吐の治療に使われています。

セサメット(Cesamet)という商標で販売されているこの合成カンナビノイドは、カナダその他の国では慢性疼痛の補助療法としても使われています。ナビロンの臨床試験では、線維筋痛症、過敏性腸症候群、パーキンソン病、PTSD に伴う悪夢、多発性硬化症に対するある程度の効果も認められています。

科学者は、さまざまな合成アナログを使って、エンドカンナビノイド・システムの生化学的経路や分子レベルのメカニズムを解明しようとしています。

科学者は、さまざまな合成アナログを使って、エンドカンナビノイド・システムの生化学的経路や分子レベルのメカニズムを解明しようとしています。そうした化合物の中には、たとえば WIN55 や CP55,940 など、CB1 と CB2 の両受容体に結合するものがあります(THC も同様です)。それ以外の実験薬は、どちらかの受容体のみを作用標的としています [2]。

カンナビノイド作動薬は受容体と結合し、さまざまな生理的過程を調節したり有害物質からニューロンを護るシグナル伝達カスケードを引き起こします。逆にカンナビノイド拮抗薬が受容体と結合すると、信号伝達を阻害します。

3. 合成カンナビノイド拮抗薬

THC の精神作用を媒介する CB1 受容体は、脳と中枢神経に集中しています。THC が CB1 と結合すると人はハイになり、空腹感を感じます。「マンチー」と呼ばれるカンナビノイドによる空腹感は、空腹感と満腹感を司る脳の部位にある CB1 受容体への刺激と関連していることが科学的に実証されています。CB1 受容体は、活性化すると食欲を引き起こし、その働きが阻害されれば食欲が減退します。

フランスの大手製薬会社 Sanofi-Aventis 社が開発した合成 CB1 受容体拮抗薬 SR141716 は、もともとは研究のためのツールでした。CB1 受容体を阻害し、その結果どんな機能に変化が生じるかを調べることによって、エンドカンナビノイド・システムについての理解が進展を見せたのです。

Sanofi-Aventis 社は、完璧なダイエット薬を発明したと考え、ヨーロッパ市場で SR141716 を食欲抑制薬として販売しました。ところが、リモナバンという名前で発売されたこの薬には、非常に乱暴な効果があることがわかりました。間もなくこの合成 CB1 拮抗薬は、血圧上昇、悪心、嘔吐、不安感、気分変動、うつ、頭痛、けいれん発作、睡眠障害、自殺リスクの高まりといった危険な副作用を理由に市場から撤退しました

この CB1 拮抗薬の大失敗によって、少なくとも、きちんと機能するエンドカンナビノイド・システムが健康には欠かせないということがはっきりしたわけです。

4. 抹消器官限定 CB1 作動薬

人間の脳に発現するタンパク質受容体でその数が最大である CB1 受容体は、さまざまな神経学的機能に影響を与えます。大麻草が気分に与える影響もその一つです。CB1 受容体はまた、腸神経系、肝臓、腎臓、心臓、その他の抹消器官にも発現しています。

CB1 受容体を刺激すると大きな治療効果が得られるが、THC には精神作用があるために医療利用がしにくい — これは、CB1 受容体が媒介する大麻の「ハイ」が有害な副作用であり、特許新薬を行政に承認させたければ創薬の際に避けるべきである、という大手製薬会社の考え方です。

そこで製薬会社の研究者たちは、抹消に限定される合成 CB1 作動薬(たとえば AZ11713908)を開発しました。これは、中枢神経系以外のところにある CB1 受容体のみを活性化し、血液脳関門を通過しません。

抹消器官限定 CB1作動薬は、人を不安にさせるような不快感や無意味な多幸感を引き起こしませんが、こうした化合物はこれまで FDA に治療薬として承認されたことはありません。

5. 抹消器官限定 CB1 拮抗薬

リモナバンが問題となってから十数年経って、医学者たちは再び CB1 受容体拮抗薬の開発を、以前とは違う視点から試みています。

脳内の CB1 受容体を阻害するのではなく、中枢神経系以外のところにある CB1 受容体のみを選択的に阻害しようというのが現在の考え方です。血液脳関門を通過しない、実験的な次世代 CB1 拮抗薬が開発されています。

脳内の CB1 受容体による信号伝達を阻害すると有害な神経学的作用が起こりますが、抹消器官にある CB1 受容体の拮抗薬には非常に興味深い治療効果の可能性があることが基礎実験で示されています。メリーランド州ベセスダにある国立衛生研究所(NIH)の研究者チームは、CB1 受容体の拮抗薬が膵臓と肝臓の細胞でインスリン感受性を高め、加齢による筋力低下を遅延させると報告しています。

これとは別の、同じく NIH の出資による研究では、抹消器官の CB1 受容体の阻害がアルコール依存症の治療に役立つ可能性があることが示されています。またノースカロライナ州の RTI International の研究者らは、中枢神経系に届かない CB1 受容体拮抗薬を肝臓疾患の治療薬開発の候補として検討すべきであるとしています。

6. 選択的 CB2 作動薬

科学者が熱心に開発中の合成カンナビノイドには別のタイプのものもあります —「選択的 CB2 作動薬」です。これは、CB2 受容体が集中する末梢神経にのみ作用し、脳には届きません。CB2 受容体は、免疫機能、疼痛知覚、炎症、代謝機能を調節しています。

CB2 受容体を選択的に活性化する合成化合物(たとえば HU 308 や JWH 133)は、使用者をハイにすることなく治癒効果を発揮する可能性を持っています。なぜなら CB2 受容体は主に脳以外の部位にあり、THC が引き起こす陶酔作用とは無関係だからです。

カンナビノイドの研究者たちは、究極の医薬品、依存性と副作用のない鎮痛薬の開発を虎視眈々と狙っています。CB2 受容体に焦点を当てた初期段階の動物実験ではその可能性が垣間見えました。

“新薬の発見を海に喩えるなら、CB2 という岩礁は失敗したプロジェクトという難破船に囲まれています”

でも、ある種のカンナビノイド受容体のみを選択的に標的にし、それを電源スイッチのように扱うと、必ず問題が発生します。

合成 CB2 作動薬の臨床試験は、懸命の努力にもかかわらずうまくいきませんでした。「新薬の発見を海に喩えるなら、CB2 という岩礁は失敗したプロジェクトという難破船に囲まれています」— イタリアの科学者ジョバンニ・アッペンディーノ(Giovanni Appendino)はそう言います。

それでも進展はあります。選択的 CB2 作動薬は現在、自己免疫性疾患の治療薬として第3相の臨床試験が行われています。

7. 水溶性カンナビノイド

自然の状態では、植物性カンナビノイドも内因性カンナビノイドも油性で水に溶けません。けれどもこうした脂質分子の構造を変化させて、その生物活性を損なうことなく水溶性にすることは可能です。

科学者は、THC をはじめとするカンナビノイドの、水溶性の誘導体を合成するいくつかの方法を開発しています。これらは天然で油性のカンナビノイドと比べてバイオアベイラビリティが高くなっています。

水溶性 THC が初めて合成されたのは 1972年のことです。その後の研究で、親水性のあるカンナビノイド誘導体がウサギの眼圧を下げることがわかりました。水溶性カンナビノイド・エステルである O-1057 は、基礎実験において、THC よりも強力な鎮痛作用を示しています。

最近では、ネットショップでも CBD 製品の店舗でも、水溶性カンナビノイドと謳う製品がナノエマルジョンとして販売されています。ナノテクノロジーを使った純粋な CBD は、水に溶けない CBD オイルと比べ、極めて高いバイオアベイラビリティと健康効果があるとされています。ただしこれにはある大きな代償がともなっており、ナノレベルに乳化された単一分子 CBD が持つとされる利点を帳消しにしかねません。

ナノ化した CBD は全身的な吸収は容易かもしれませんが、分解されるのもずっと速く、したがって作用する時間も短いのです。

また、CBDアイソレートは通常、治療効果を発揮するために、全草から抽出された高 CBD の濃縮エキスと比べてはるかに高い用量を必要とします。

8. カンナビノイド受容体のアロステリック・モジュレーター

脳内のカンナビノイド受容体を直接かつ強力に刺激すれば、望ましからざる精神作用を引き起こしかねません。そのため、CB1 受容体の形を変化させ、THC のようにハイの原因にならずに信号を伝達させる合成化合物が開発されました。これらはアロステリック・モジュレーターと呼ばれ、受容体が信号を送る力を強めたり弱めたりします。

アロステリック・モジュレーターは、受容体が信号を送る力を強めたり弱めたりします。

「ポジティブ・アロステリック・モジュレーター」は、アナンダミドと 2-AG(主要な内因性カンナビノイド)による CB1 受容体の活性化の効力と有効性を高め、それによってエンドカンナビノイド・システムが持つ保護作用を強化します。

スコットランドのアバディーン大学の研究者らは、疼痛と神経疾患の治療のために、CB1 のポジティブ・アロステリック・モジュレーター合成しました。バージニア・コモンウェルス大学がこの実験薬 ZCZ011 をマウスで試したところ、CB1 受容体のアナンダミドに対する反応が強化され、炎症性の疼痛が軽減しました。

ただし、アロステリック・モジュレーターの効果は動物によってばらつきがあり、この領域での創薬を大きく阻んでいます [4]。

9. 内因性カンナビノイド分解酵素阻害薬

医学者らは、カンナビノイド受容体に直接(またはアロステリックに)結合することなくエンドカンナビノイド・トーンを改善する、合成デザイナードラッグについても研究しています。

人間の脳が産生するマリファナ様分子であるアナンダミドと 2-AG をそれぞれ分解する異化酵素、脂肪酸アミドヒドロラーゼ(FAAH)およびモノグリセロールリパーゼ(MAGL)の働きを阻害することによって、内因性カンナビノイドによるシグナル伝達を薬理的に増大させることができます。

簡単に言うと、FAAH と MAGL の働きが弱まれば体内のアナンダミドと 2-AG の量が増え、その結果全身のカンナビノイド受容体の活性が高まるのです。内因性カンナビノイド分解酵素の働きを抑制する薬は、合成あるいは植物性の CB1 作動薬にともなう強い精神作用なしに、間接的にカンナビノイド受容体の信号伝達を強化します。

FAAH と MAGL を阻害することで内因性カンナビノイドの信号伝達を間接的に変化させると、疼痛、不安感、大腸炎、高血圧、オピオイド薬の離脱症状、下痢、関節炎が緩和されることが、さまざまな動物モデルで明らかになっています。ただし、FAAH と MAGL は他にも、人間の気分や行動に大きく影響する数々の内因性化合物を調節しているため、炎症性の疾患やストレスが原因の疾患に狙いを定めた治療薬を開発しようとする場合、このような全身に作用する働きが大きな障害となります。

製薬会社が合成 FAAH 阻害薬(たとえば URB597)や MAGL 阻害薬(たとえば JZL 184)などを研究している一方で、キッチンのスパイス棚を見れば、これと同じ異化酵素を阻害してエンドカンナビノイド・トーンを調節してくれる植物性栄養素が見つかります。たとえばナツメグは、エンドカンナビノイド・システムに作用して脳内マリファナであるアナンダミドと 2-AG の分解をともに阻害してくれる、数々の香辛料の一つです。

10. 内因性カンナビノイド再取り込み阻害薬

エンドカンナビノイド・トーンを補強するもう一つの方法に、アナンダミドと 2-AG の再取り込みを遅らせるというものがあり、脂肪酸結合タンパク質と呼ばれる輸送分子を作用標的とする合成再取り込み阻害薬(たとえば AM404)が開発されています。細胞膜を通過する脂肪酸結合タンパク質は、内因性カンナビノイドの細胞内移動と再取り込みを助けるものです。

この重要な輸送分子を使えなくすることで、合成再取り込み阻害薬は、脳のシナプス内の内因性カンナビノイド量を増加させます。その結果、カンナビノイド受容体による信号伝達と内因性カンナビノイドによる保護作用が高まるのです。

THC と CBD もまた、内因性カンナビノイドの再取り込みを阻害します。再取り込みの阻害によるエンドカンナビノイド・トーンの改善は、植物性カンナビノイドがてんかん発作や神経変性に対する保護作用や、その他さまざまな健康効果を発揮する重要なメカニズムかもしれません。

見掛け倒し?

どんなに失敗を繰り返しても、カンナビノイドの科学者や医薬品開発者は、人をハイにすることなく治療することが可能であるという固定観念に取り憑かれています。

CB1 拮抗薬、抹消器官限定 CB1 作動薬、アロステリック・モジュレーター、選択的 CB2 作動薬、その他、多幸感を生じさせないカンナビノイドの合成がここまでのところ成功していないという事実は、単一タンパク質受容体を標的とし、それを電源スイッチのように扱い、同時に、大麻草全草が持つ相乗的な作用をないがしろにする、合成単一分子医薬品開発の課題と限界を明らかにしています。

規制政策は、大麻草から作られたフルスペクトラムの製剤よりも単一分子医薬品の肩を持つべきではありません。患者にとって最も重要なのは、カンナビノイドをベースにした幅広い治療の選択肢が与えられることです。

合成 CBD アナログも開発されています。CBD の分子に手を加え、サイドチェーンを排除したり、加えたり、改変したりすることで、医薬品の研究者は、大麻草由来の CBD よりも効力が高く、より選択的に働く、市場性のある化合物を作ろうとしているのです。

けれども、CBD アイソレートは本質的に、大麻草全草由来の高 CBD 抽出物よりも優れているわけではありません。単一分子 CBD とフルスペクトラムの高 CBD オイルの有効性を比較した基礎実験によれば、CBD 単体の場合、効果があるのは正確に高用量を使用した場合のみである一方、大麻草全草由来の高 CBD エキスにははるかに幅広く安全な治療域があり、またずっと低用量で効果を発揮することがわかっています。さらに、高用量の単一分子 CBD を摂った場合、薬物相互作用が問題になる可能性もはるかに高いのです。

規制政策は、大麻草から作られたフルスペクトラムの製剤よりも単一分子医薬品の肩を持つべきではありません。患者にとって最も重要なのは、カンナビノイドをベースにした幅広い治療の選択肢が与えられることです。そしてその中には、大麻草全草から手作りされた製剤から、(もしもそれが実現すれば)合成アイソレートまで含まれるべきなのです。


Martin A. Lee は Project CBD のディレクターであり、『Smoke Signals: A Social History of Marijuana – Medical, Recreational and Scientific』の著者。

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脚注

  1. カンナビノイド受容体の片方、あるいは両方に直接結合する大麻草成分は4つしかない。THC は CB1 と CB2 の両方を活性化させる。THC が分解されてできるカンナビノール(CBN)は CB1 受容体を活性化するが、その力は THC より弱い。THC のプロピル基同族体テトラヒドロカンナビバリン(THCV)は両方の受容体に結合し、CB2 を活性化させ、CB1 を阻害する。大麻の多くの品種や葉物野菜、香辛料などに含まれるテルペン、β-カリオフィレンは、CB2 受容体を活性化する。CBD を含むその他のカンナビノイドは、カンナビノイド受容体に錠と鍵のように結合することはなく、間接的にエンドカンナビノイド・システムに作用する。
  2. エンドカンナビノイド・システム研究のツールとして開発された合成カンナビノイド JWH-018 は、CB1 受容体は活性化するが CB2 受容体は活性化しない。この強力な CB1 作動薬のフォーミュラが科学論文として発表されると、JWH-018 は「スパイス」または「K2」と呼ばれるドラッグとして巷に出回るようになった。マスコミではスパイスを「合成マリファナ」と誤って説明していることが多い。
  3. アメリカ連邦政府に雇われた科学者たちは、リモナバンの使用を完全に諦めたわけではない。「大麻依存症」を含むさまざまな依存症の治療に CB1 阻害薬を利用するための研究に出資した国立薬物乱用研究所(NIDA)にとって、リモナバンが大麻による多幸感を防ぐという事実は非常に好ましいものである。
  4. カナダの研究者らは、インビトロ研究の結果に基づき、CBD を CB1 受容体の「ネガティブ・アロステリック・モジュレーター」であるとしている。つまり、CBD は THC と一緒に投与すると CB1 受容体の形状を変化させて THC との親和性を弱めるということである。CB1 のネガティブ・アロステリック・モジュレーターである CBD は、THC による精神作用の最大値を低くする。CBD を豊富に含む大麻の品種を使うと、高 THC の製品と比べてあまりハイにならないのはそのせいかもしれない。

参照文献

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